研究課題/領域番号 |
17K05446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
河野 宏明 佐賀大学, 理工学部, 教授 (80234706)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 量子色力学 / 格子シミュレーション / 有限温度 / 有限化学ポテンシャル / Z3対称性 / 符号問題 / 格子量子色力学 / 有限密度 / 虚数化学ポテンシャル / 理論核物理 / 素粒子論 / 実験核物理 / 素粒子実験 / 理論天文学 |
研究成果の概要 |
この研究では、有限化学ポテンシャルにおいて、Z3対称な量子色力学(QCD)の格子シミュレーションを行った。クォーク間に働く強い相互作用の基本理論である量子色力学の非摂動的な計算方法として、計算機上に設定した離散的な格子空間でシミュレーションを行う方法が発展している。零温度や有限温度では格子QCDで成功をおさめている。しかし、有限密度の状況では、格子QCDは符号問題という難問のためにうまく計算できない。一方、Z3対称性があれば、符号問題は軽減されることが予測されている。この研究では、Z3対称なQCDにおいて位相クエンチ近似において有限化学ポテンシャルでの計算を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
格子QCDの計算は有限のクォーク化学ポテンシャルの状況においては符号問題と呼ばれる問題のためにうまく計算できていない。一方、通常のQCDにないZ3対称性があるようなQCDを考えると、符号問題が軽減されることがQCDの有効模型などから予測されている。そのようなZ3対称性があるQCDは零温度では通常のQCDに一致するので、低温におけるZ3対称なQCDの格子計算をする事で、原子核や中性子星などの零温度近傍のQCD物理を解明する事ができる。この研究では、位相クエンチ近似のもとであるが、Z3対称なQCDの格子シミュレーションを行う事に成功した。これは、世界でも初めての計算であると考えられる。
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