研究課題/領域番号 |
17K05483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 公益財団法人佐賀県地域産業支援センター(産業振興部研究開発振興課、九州シンクロトロン光研究センター) |
研究代表者 |
高林 雄一 公益財団法人佐賀県地域産業支援センター(産業振興部研究開発振興課、九州シンクロトロン光研究センター), 加速器グループ, 副主任研究員 (50450953)
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研究分担者 |
隅谷 和嗣 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, 研究員 (10416381)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | チャネリング / 湾曲結晶 / 結晶 / ビーム操作 / 相対論的電子ビーム |
研究成果の概要 |
湾曲結晶チャネリングによるビーム偏向は,超伝導電磁石を凌駕する偏向能力とビームスプリッターへの応用が注目され,高エネルギーのイオンビームに関して研究が進んできたが,近年,GeV級の電子ビームに関しても研究が行われるようになった.本研究では多重散乱と量子論的効果が顕著になる低エネルギー領域(255 MeV)において,湾曲結晶チャネリングの検証を目的とし研究を行った.(111)面が湾曲した厚さ40ミクロンのSi単結晶を用いて実験を行ったところ,入射ビームの10%が1.4 mrad偏向された.実験結果はシミュレーションによって再現され,低エネルギー領域における湾曲結晶チャネリングの検証に成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,湾曲結晶がビームスプリッターとして応用可能であることを示唆している.従来,高エネルギーのビームを偏向させるのに電磁石が用いられてきたが,電磁石の場合,全てのビームを曲げてしまうので,ビームスプリッターとしては利用できない.よって,本研究の成果は電磁石では実現不可能な新しいビーム操作技術に応用できる点に意義がある. また,本研究では,デチャネリング長の導出までには至らなかったが,多重散乱の影響を抑制すればデチャネリング長を導出することが可能であり,測定値が古典的な理論値と一致せず,長年,議論の的となっているデチャネリング長について新たな知見を与えられる点にも意義がある.
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