研究課題/領域番号 |
17K05488
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中山 隆史 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (70189075)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 金属/固体界面 / 電場環境下 / イオン化 / 侵入拡散 / 金属イオン / 点欠陥 / クラスター / 第一原理計算 / 金属電極 / 絶縁・半導体 / 有機固体 / 原子空孔 / ドーパント / ワイドギャップ半導体 / 二酸化ケイ素 / ギャップ状態 / イオン価数 / 表面・界面物性 / 物性理論 / 計算物理 / 半導体物性 / イオン拡散 |
研究成果の概要 |
本研究では、量子力学に基づく大型数値計算を用いて、電場下の様々な金属/固体界面における金属原子や点欠陥のイオン化および侵入拡散の仕組みを調べた。その結果、(1)金属原子の電子状態は界面近傍で金属誘起ギャップ状態(MIGS)と混成するため、金属原子は界面からMIGSの侵入長だけ離れた位置でイオン化すること、(2)金属原子と金属電極間では電子移動が起き、イオン価数は界面からの距離と共に変化し、侵入の拡散障壁は電場強度にほぼ線形に減少すること、(3)これら侵入拡散現象は、固体の誘電率等の物質パラメータと電場強度を変数とした普遍的なモデル表式(物理描像)で記述されること等を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属/固体界面において金属層に電圧をかけると金属原子がイオン化して固体内に侵入・拡散していくことが知られているが、どのような仕組みでイオン化が起こるか、どのような電場強度で拡散が始まるかは明らかでなかった。本研究では、量子力学に基づく数値計算を行い、これらの疑問点を世界で初めて解明した。特に、界面からの距離に依存したイオン価数の変化や拡散のエネルギーバリアを記述する普遍的な表式を導出し、界面における「イオン化と拡散の理論」を構築したことは学術的に大きな意義を持つ。本結果は、近年のナノデバイスの劣化を理解し、新しい電子デバイス開発に多くの知見を与えると期待される。
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