研究課題/領域番号 |
17K05528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
土浦 宏紀 東北大学, 工学研究科, 准教授 (30374961)
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研究分担者 |
浅岡 類 東北大学, 工学研究科, 助教 (60780947)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 銅酸化物超伝導 / T'型構造 / 擬ギャップ状態 / 電荷密度波 / 擬ギャップ / 交替フラックス状態 / 高温超伝導 / 強相関電子系 |
研究成果の概要 |
銅酸化物超伝導に残された課題として,(i) T'型構造を持つ超伝導体におけるノンドープ超伝導転移の可能性と,(ii)T型構造を持つ系の低キャリア密度領域で見られる擬ギャップ状態の起源解明の二つが挙げられる.(i)については,CuO2面における酸素の自由度を取り入れた2バンド有効模型を用いて,揺らぎ交換近似の範囲で超伝導転移の可能性を調べたところ,実験で報告されているような超伝導転移が可能であることを見出した.(ii)については,現実的なバンド構造において交替フラックス状態と呼ばれる状態を考慮すると,実験で見られるフェルミアークや電荷密度波状態が満足すべき水準で記述できることが明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
銅酸化物超伝導体は,通常の金属超伝導体と比較して高い転移温度を持つため,幅広い分野における実用化が強く期待される材料である.しかし,銅酸化物超伝導体のうち試料の制御が比較的容易な物質群は転移温度が約100K以下と比較的低く,実用化のためには,あと5-10K程度の転移温度向上が必要と言われている.本研究において技ギャップ状態の起源を理論的に解析したところ,擬ギャップ状態は超伝導を抑制する働きを持ちうることが判明した.これにより,擬ギャップ状態を選択的に抑制する手段を探索することで転移温度向上を目指すという,性能向上指針を提出することができた.
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