研究課題/領域番号 |
17K05529
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
横山 淳 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (70361285)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 超伝導 / 磁気秩序 / 量子臨界現象 / 重い電子系 / 強相関電子系 / 量子スピン揺らぎ / パウリ常磁性効果 / 反強磁性 / 低温物性 |
研究成果の概要 |
パウリ限界超伝導体CeCoIn5にZnを混入すると、超伝導転移温度は抑制されるものの、超伝導上部臨界磁場Hc2はほとんど変化しない異常を持つ。本研究では、巨視・微視実験を駆使することによって、このHc2異常をもたらすパウリ常磁性効果の背景には、強い反強磁性量子臨界揺らぎが存在することを解明した。特にこの過程において、CeCoIn5の磁場誘起量子臨界揺らぎの原因となる秩序変数を明らかにした。これは、このイオン混入系は量子臨界揺らぎがもたらす異常超伝導物性を包括的に理解するプラットフォームとなりうることを意味する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、CeCo(In1-xZnx)5 のHc2異常をもたらす背景には、パウリ常磁性効果を通じて強い反強磁性量子臨界揺らぎが重要な役割を果たしていることを解明した。この過程で、磁場誘起量子臨界揺らぎの原因となる秩序変数や、そのIsing的磁気異方性を明らかにした。エキゾチック超伝導体のプロトタイプであるCeCoIn5でのこれらの発見は、広く強相関電子系超伝導体において、異常な超伝導状態の発現には量子臨界揺らぎの寄与が不可欠であることを示唆するものである。本研究の成果によって、さらに今後の超伝導と量子臨界揺らぎに関する包括的な研究を推進していく契機となる。
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