研究課題/領域番号 |
17K05531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山内 徹 東京大学, 物性研究所, 技術専門員 (10422445)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高圧下交流比熱測定 / 圧力誘起絶縁体超伝導転移 / 高圧下AC比熱測定 / 圧力誘起絶縁相超伝導相転移 / 軌道選択的Mott絶縁体相 / 圧力誘起超伝導 / 絶縁体超伝導転移 / Mott絶縁体 / 電荷秩序絶縁体 / 梯子格子 / 圧力下物性 / 強相関物質 / 梯子系 / 超伝導 / Mott転移 / 電荷秩序転移 / 悪魔の階段 / 強相関電子系 / 磁性 / 低温物性 / 物性実験 |
研究成果の概要 |
BaFe2S3とbeta-Na0.33V2O5で絶縁体相から超伝導相に転移する臨界圧力前後で,これらの結晶を使って熱量計を作成し,広範囲の温度領域で高圧下交流比熱測定を行った.前者では超伝導相とMott絶縁体相が隣接する臨界圧力領域に比熱の増強が見られ,超伝導転移温度よりも高温でもこの傾向は観測された.これは軌道選択的なモデルで提唱されているクロスオーバー現象だけでは説明がつかず,なんらかの転移があることを示している.さらには,明確な対称性の破れを伴う相転移のある後者でも,臨界圧力近傍の比熱増強異常も観測され,更に温度そう引時に電荷秩序転移と超伝導転移をも明確に観測することに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
測定技術開発を行い成功することは,シンプルに意義がある.強相関電子系として典型的な絶縁相基底状態を持つ系が,乱雑さを加えない方法で,超伝導相に転移をする場合,その背景で如何なる変化が起こっているかは,銅酸化物高温超伝導体発見以来の現代物性物理学上の中心的課題の一つである.この課題への実現可能なアプローチとして,15GPa程度の範囲で圧力誘起超伝導相探索に威力を発揮してきたキュービックアンビル型圧力装置での交流比熱測定を志向した.比熱はエントロピーを介して,ボルツマン関係式で系の状態数に直接結びついている物理量なので,圧力誘起される強相関電子系金属の物理学を議論する上で強力な測定法である.
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