研究課題/領域番号 |
17K05538
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
赤津 光洋 新潟大学, 自然科学系, 助教 (10431876)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | マルチバンド超伝導 / 超音波計測 / 静水圧 / 電気四極子 / 弾性定数 / 超音波吸収係数 / 鉄系超伝導体 / 励起子絶縁体 / 鉄系高温超伝導体 / 鉄系高温超伝導 / 静水圧力 / 強磁場 / 物性実験 / 強相関電子系 / 超伝導 / 超音波 / マルチバンド |
研究成果の概要 |
マルチバンド構造を持つ鉄系超伝導体Ba(Fe1-xCox)2As2の超伝導の発現機構の解明のため、強磁場下及び静水圧下での超音波計測を行った。その結果、Ba(Fe1-xCox)2As2の弾性定数C66の巨大なソフト化は、50 T以上の強磁場でも磁場依存性が小さいことが分かった。量子臨界点近傍の濃度の試料では、四極子-歪み相互作用が他の濃度と比較して突出して大きいことが分かった。また、この濃度の試料のC66は、強い圧力依存性を示した。これらの結果は、C66の巨大なソフト化の起源である四極子の揺らぎが超伝導の発現にも重要な役割を果たしていることを示唆していることが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
縮退したマルチバンド構造を持つ鉄系超伝導体Ba(Fe1-xCox)2As2は、弾性定数C66が強磁場下でも磁場依存性が小さいことや、構造相転移の量子臨界点近傍では四極子-歪み相互作用が大きいこと、またC66の静水圧力依存性が大きいことが世界で初めて明らかになった。これは、以前、我々が提案した四極子がもたらす十六極子の揺らぎが超伝導のドライブフォースの1つであることを強く支持している。これは、最近精力的に研究が行われている圧力下で構造相転移の量子臨界点近傍で超伝導を示す励起子絶縁体候補物質などでも同様の議論をできる可能性があり、新しい発現機構を持つ超伝導の物理の発展に強く寄与すると考えられる。
|