研究課題/領域番号 |
17K05550
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
赤浜 裕一 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 特任教授・名誉教授 (90202522)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 水素 / 高圧固体相 / X線回折 / 金属化 / 超臨界流体相 / ラマン分光 / 放射光 / ダイヤモンドアンビル / 固体水素 / 高圧相 / X線回折実験 / 超臨界相 / 高圧構造 / X線構造解析 / ラマン散乱 / 超高圧 / 分子性固体 / 超高圧力 / 金属水素 / 高温超伝導 |
研究成果の概要 |
固体水素Ⅲ相からの統計精度の高い粉末X線回折パターンを200 GPaまで観測することに世界で初めて成功した。観測テータを基に、Ⅲ相は、六方晶の対称性を持つ構造で、200 GPaでも水素分子は依然としてhcp構造の格子点近傍にあることを明らかにした。これまで、Ⅲ相の構造は理論研究から単斜晶(C2/c)が有力視されてきたが、この提案を覆す結果となり、理論計算の再検討を促した。一方、ラマン散乱からⅢ相は230 GPa程で結晶の低対称化を起こすことを突き止めた。さらに、水素超臨界流体相のX線回折とラマン分光実験から、密度と分子振動の相関を明らかにした他、多くの単体物質の圧力誘起構造相転移を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素は、最も単純な元素で、科学研究における重要な対象物質である。400 GPa以上の超高圧力下で実現すると予言されている金属水素は、室温で超伝導を示すことが提案され固体物理学の分野の重要課題となっている。本研究で解明された固体水素Ⅲ相の結晶構造、密度そして分子振動に関する情報は、金属水素を実現し、金属相の物性を理解する上で貴重な基礎データであり、学術的に大きな意義がある。また、本研究により解明された水素超臨界流体相の光学的性質や凝集状態そして密度等の基礎物性は、水素社会実現のための高圧水素ガス応用の上で貴重なデータに成ることから社会的に意義があると確信している。
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