研究課題/領域番号 |
17K05570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
巾崎 潤子 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (10133331)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 分子動力学 / ナノ多孔質 / シリケートガラス / 拡散係数 / 加速ダイナミクス / ナノポーラス / 分子動力学シミュレーション / ナノイオニクス / 自己修復 / 動的不均一性 / 多孔質 / 自己組織化 / ストレス緩和 / イオニクス / ナノ材料 |
研究成果の概要 |
多孔質の系や、多孔質を含む複合系では、イオンのダイナミクスが著しく加速されることが実験的に知られているが、この機構は明らかでない。本研究では、ナノ多孔質リチウムシリケート系における加速ダイナミクスの機構解明のために分子動力学シミュレーションを行った。体積一定の条件で空孔を導入すると、密度の減少に伴って、リチウムイオンの拡散係数が一旦増加した。拡散係数の増加は、短時間領域から始まり、主にLiの周囲の酸素が作る配位多面体の構造(ケージ)が緩くなり、イオンが飛び出す運動の頻度が多くなるためであることが分かった。さらに密度が減少すると、ボイドが発達し、残りの部分はケージが固くなって拡散係数は減少する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多孔質系は、基礎分野、応用分野の両方でその重要性を増してきており、本研究の成果は、その理解に役立つものである。基礎分野では、物理学上の重要な未解決分野であるガラス転移の理解に寄与した。多孔質系はガラス転移を研究する上での新たな重要なプラットホームとして用いることができる。特に空孔を導入することでイオンダイナミクスの変調や、関連するガラス転移の問題において、配位多面体によるケージングの果たす役割の重要性を浮き彫りにした。応用分野でも、空孔の導入は、ダイナミクスのコントロールに用いることができるので、軽くて伝導性の高い材料の設計やドラッグデリバリー材料の設計などに重要な役割を果たすと考えられる。
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