研究課題/領域番号 |
17K05604
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長嶋 剣 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (60436079)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 氷 / 疑似液体層 / 大気化学 / 酸性ガス / 不均一反応 / 氷結晶 / 高分解能光学顕微法 / 雲 / 塩化水素 / 二酸化炭素 |
研究成果の概要 |
氷表面は大気中のガスの化学反応場として注目される一方で、融点付近の氷表面は疑似液体層(QLL)で覆われることでも知られている。本研究では、高分解能光学顕微鏡によって酸性ガス(HNO3とHCl)が氷表面やQLLに及ぼす影響を直接観察した。 その結果、酸性ガスの存在下での疑似液体層は純粋な水ではなく酸性溶液であることがわかった。また、HNO3-QLLは氷-液滴界面から氷が均一に成長したのに対し、HCl-QLLは氷-液滴-気相界面から氷が成長してQLL表面を覆い、最終的には氷内部に埋没した。埋没が起こると多量の酸性成分が速やかに氷内部へと取り込まれるため重要なプロセスであることがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
氷表面における酸性ガスの反応は、オゾン層の破壊や二酸化窒素ガス等の有毒ガス生成を促進すると言われている。氷表面を覆うnmオーダー厚みの疑似液体層はこういった反応に関与すると考えられているが不明点が多い。研究代表者は高分解能光学顕微鏡で疑似液体層を直接観察することによって、地球大気に含まれるようなわずかppbオーダーの酸性ガスであっても氷表面の疑似液体層の安定性を高め、存在温度や存在形態を変化させることを発見した。
|