研究課題/領域番号 |
17K05610
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
下川 直史 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 講師 (20700181)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | リン脂質 / リポソーム / ベシクル / 脂質二重膜 / 相分離 / 静電相互作用 / ソフトマター物理 / 生物物理 / 脂質 |
研究成果の概要 |
細胞膜での自発的な秩序形成を理解するために、細胞膜の主成分であるリン脂質から成る脂質二重膜での秩序構造形成を実験・理論計算・数値シミュレーションにより明らかにした。すべての成分が均一に混ざらない相分離という現象に取り組み、特に、相分離に対する荷電脂質や多価のイオンによる効果に注目して研究を進めた。具体的には、膜に添加する塩の価数や構造の影響、脂質の電離状態、脂質の価数、荷電ナノ粒子と膜との相互作用、外部電場による影響、疎水性分子の添加などを行った。これらより静電相互作用が膜内や膜自体の自発的な秩序構造形成に重要な役割を担うことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イオン間の相互作用である静電相互作用は長距離相互作用であるため、取り扱いが難しい。そのため、いくつかの単純化を行うことが多い。しかし、その単純化の過程でイオンの大きさ、イオンの構造、電離などといった重要な要素が削ぎ落される場合がある。このような複雑な要素が脂質膜の秩序形成において重要な役割を果たし、特に多価のイオンの場合にはこれらの効果が顕在化しやすいことを明らかにした。本研究課題により細胞膜での静電相互作用を伴う秩序形成についての知見が得られただけでなく、静電相互作用による脂質膜の構造制御にも利用することができ、将来的には医学・工学的応用へと繋がる可能性がある。
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