研究課題
基盤研究(C)
地下の電気比抵抗時間変化の監視を実現することを目標に、地表面上の閉曲線に電流を流し、離れた場所の起電力を測定するLoop-Loop法のシミュレーションコードの開発と蔵王山での既存の電気比抵抗モデルでシミュレーションを行うことを計画した。時間領域有限要素法の定式化で電磁場計算のコード開発を試みたが、閉曲面の印加電流を有限線分に分け、各線分端の電流の湧き出しと吸い込みのコード化が最後まで成功しなかった。一様な比抵抗に対する解析解を用いて計算したところ、100m四方に10Aの電流送信に対し100~10Ωmの地下構造であれば1km離れた場所で1~100mV起電力を期待できることを確認した。
2014年の御嶽山の噴火や2016年の阿蘇山の噴火によって、地震計や傾斜計、GNSSによる力学的変動の観測では水蒸気噴火の短期的噴火時間予測が難しいケースが再認識された。水蒸気噴火の予測には火山体下の熱水流体の動きを捕捉すると考えられる電気比抵抗の変化の監視で精度を向上させることが期待されており、本研究では時間領域電磁法と呼ばれるうちLoop-Loop法と呼ばれる手法を向上させることで、地下の電気比抵抗が変化した場所を特定できるだけでなく、時間、空間的に分解能を改善させ、火山噴火予測、さらには流体駆動型の内陸地震などの予測を多項目で実装できることが期待できる。
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