研究課題/領域番号 |
17K05706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
太田 努 岡山大学, 惑星物質研究所, 助手 (80379817)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | リチウム同位体 / 水流体 / カンラン岩 / マントル内物質循環 / 二次イオン質量分析計 / リチウム / 流体 / マントル / 岩石・鉱物・鉱床学 / 地殻・マントル物質 |
研究成果の概要 |
典型的なマントルカンラン岩を産する幌満岩体について,水流体と共に挙動する元素の分布を,水素のそれと合わせて調べた結果,同岩体には約十億年前の海洋底熱水変質と約一億五千万年前の沈み込み帯流体との反応が記録されていることがわかった. 岩体縁部は後のイベントによる再平衡に達しているが,岩体中央の幅約1キロメートルの領域では,約十億年前の熱水変質によるリチウム同位体比や微量元素濃度が保持されており,その水素濃度は典型的なマントルの十倍以上に相当する.幌満岩体の存在は,少なくとも十億年前以降のマントルにおいて,キロメートル規模の含水物質の不均質分布が,そのダイナミクスや化学進化に寄与していたことを示す.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素のような軽元素は,地球マントルの高温高圧条件下では容易に拡散・均質化すると考えられるが,そのような含水(素)物質の質量や滞留時間といった情報を,地震学の間接的手法で得るのは難しい. 本研究では,地質学的・地球化学的手法を用いて,幌満カンラン岩体が典型的なマントルカンラン岩の十倍もの水流体を保持していること,岩体内部のキロメートル規模の領域には約十億年前の水流体が保持されていた可能性があることを示した.マントル物質の物性は,含水量によって大きく変化するため,幌満岩体のような含水物質によるマントル内不均質の時空間的情報は,マントルのダイナミクスや化学進化を理解する上で重要な知見である.
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