研究課題/領域番号 |
17K05716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球宇宙化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
千葉 仁 岡山大学, 自然科学研究科, 特命教授 (30144736)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 降水硫酸 / 越境汚染 / 硫黄同位体比 / 酸素同位体比 / ストロンチウム同位体比 / 鉛同位体比 / 酸性降下物 / 硫酸イオン |
研究成果の概要 |
日本海側から瀬戸内海側まで鳥取県から岡山県の南北ほぼ直線上の5地点で四年間に渡り月毎の降水を採取した。主要化学組成,硫酸イオンの硫黄・酸素同位体比を測定した。非海塩性硫酸の硫黄同位体比は冬期に高く夏期に低くなる日本の他地域で観測されているのと同様の季節変動を示した。本研究で初めて測定された酸素同位体比は春期に高く秋期に低くなる硫黄同位体比とは異なる季節変動を示した。硫黄同位体比と酸素同位体比の季節変動を合わせて考察したところ,これまで考慮されていなかった主に春期に日本列島に飛来する黄砂を降水硫酸の起源物質の一つとして考えなくてはいけないことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
降水硫酸の酸素同位体比を初めて測定した。結果は硫黄同位体比と異なる春期に高く秋期に低い季節変動を示した。硫黄同位体比の冬期に高く夏期に低い季節変動と合わせて考察することにより,降水中の硫酸イオンには,これまで硫黄同位体比のみを用いた研究では考慮されていなかった黄砂が降水硫酸の重要な起源物質の一つであることが明らかになった。本研究の成果は,降水硫酸の起源物質の研究のみならず,浮遊粒子状物質(PM2.5やSPM)の水溶性物質に含まれている硫酸イオンの起源推定にも酸素同位体比が重要な指標となることを示している。
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