研究課題/領域番号 |
17K05746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
野崎 浩一 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (20212128)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 有機薄膜 / 過渡吸収スペクトル / アップコンバージョン / イリジウム錯体 / 拡散速度 / 三重項消滅 / 過渡吸収 / 拡散定数 / 過渡吸収測定 |
研究成果の概要 |
光機能性の有機薄膜素子の効率や光劣化の一因である三重項励起子やイオン種などの非発光性の化学種の濃度や生成収率の観測を可能にするため,紫外~近赤外領域において超高感度でナノ秒過渡吸収を測定するための装置を開発した。代表的な有機EL材料であり,緑色リン光性イリジウム錯体fac-Ir(ppy)3 の蒸着膜について時間分解発光測定と過渡吸収測定による検討を行い,固体でしばしば観測される黄色発光の起源を明らかにした。また,高感度過渡吸収測定によってDPA:PtOEP混合薄膜の三重項三重項消滅(TTA)アップコンバージョン過程の反応収率を評価し,薄膜中のTTA-UCの効率を評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,有機電界発光素子などで注目されている発光性有機薄膜中での三重項状態やイオン種などの非発光化学種の濃度や生成収率を直接観測するため,紫外~近赤外領域の超高感度ナノ秒時間分解過渡吸収測定装置を開発した。この方法により,薄膜中での三重項励起子の生成収率や減衰速度,三重項-三重項消滅のダイナミクスなど,これまでの発光分光法では観測できなかった非発光性の化学種についての量的,速度論的な情報を得ることが可能になった。さらに,非発光種のスペクトル観測が可能になることで,励起子のトラップする膜中の不純物についてのスペクトル情報が得られるようになり,素子の長寿命化に寄与できると期待できる。
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