研究課題/領域番号 |
17K05750
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松井 正冬 京都大学, 実験と理論計算科学のインタープレイによる触媒・電池の元素戦略研究拠点ユニット, 特定研究員 (20761703)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 分子軌道論:バンド理論ハイブリッド手法 / 担持金属触媒 / 埋め込みクラスターモデル / 自動車三元触媒 / 周期的ガウス基底 / 金属-表面相互作用 / 分子軌道論:バンド理論ハイブリッド手法 / 金属-表面間相互作用 / 長距離静電相互作用 / 理論化学 / 分子軌道論:バンド理論ハイブリッド手法開発 / 金属ナノ粒子 / 表面・界面物性 |
研究実績の概要 |
本課題は、表面の影響を取り込んだ高精度電子状態を可能とする分子軌道論:バンド理論ハイブリッド化新規第一原理計算手法を開発することにより、固体表面上に金属ナノ粒子が担持した担持金属触媒の活性発現機構を理論的に解明し、貴金属フリーの自動車触媒を理論設計することを目的としている。そのために、スラブモデルを用いたバンド計算により求めた静電ポテンシャルを作用させて、クラスターモデルを用いた高精度分子軌道計算を行なう、周期的静電ポテンシャル埋め込みクラスターモデルの開発を行ってきた。本年度はこれまで開発してきた手法を用いて、金属クラスターの担持した表面の構造最適化の検討と、吸着CO分子への金属-表面相互作用の影響の評価を行った。 自動車三元触媒Rh/Al2O3, Rh/AlPO4の埋め込みクラスターモデルを構築し、構造最適化を行ったところ、スラブモデルと近い収束構造が得られたことから、クラスター末端領域のdangling bondの影響は小さく、開発した手法は構造最適化に適用可能であることがわかった。Rh2の構造はスラブモデルで用いた平面波基底で評価したものよりも、クラスターモデルで用いたLANL2DZ基底で評価したものの方が実験値に近いので、より信頼性の高い担持金属クラスター構造を評価可能になったと考えられる。また、実験では、吸着CO振動数はRh/AlPO4の方がRh/Al2O3よりも高いが、これはRhから担体表面への電荷移動がRh/AlPO4の方が大きく、そのために担持Rhの金属性が低くなっていることに起因すると言われている。今回開発した手法を用いて、吸着CO振動数を計算したところ、実験と一致する結果が得られた。これらのことから、この課題で開発した新規第一原理計算手法は、担持金属触媒上での金属クラスター電子状態の関与する分子の吸着、そして解離に関して、十分に適用可能なものであると考えられる。
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