研究課題/領域番号 |
17K05766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
松原 世明 神奈川大学, 理学部, 教授 (60239069)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 量子力学的手法 / 分子動力学法 / SN2反応 / 動的因子 / 溶媒効果 / 化学反応 / 量子力学計算 / 分子動力学計算 |
研究成果の概要 |
どのようにして化学反応が始まり、どのようにエネルギー障壁を越えていくのか、量子力学的手法と分子動力学法を組み合わせ、動的観点から解析を行った。モデル反応として2-クロロブタンとOH-のSN2反応を選択し、気相と水溶媒中でそれぞれQM-およびONIOM-MDシミュレーションを行い、解析を行った。その結果、反応の直前に反応に関与する原子に運動エネルギーが集中し、それらの原子の速度ベクトルがあるパターンを満たしたときのみ基質はエネルギー障壁を登り下りすることが分かった。また、水溶液中では、水溶媒分子の基質への動的効果によって、その速度ベクトルパターンが異なることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子力学的手法は今や分子設計、反応設計の強力な手段となっているが、エネルギープロフィールの平衡構造や遷移状態の停留点、あるいは固有反応座標に関する情報は与えてくれるものの、ダイナミックな情報は与えてくれない。どのようにして化学反応が始まり、どのようにエネルギー障壁を越えていくのか、といった問題は非常に興味深い。化学反応が起こる瞬間に何が起こっているのかは依然未知の課題と言える。量子力学的手法を分子動力学法と組み合わせることで、本研究で得られた化学反応を推進する動的因子の知見は、今後の化学反応理論の発展への貢献が期待される。
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