研究課題/領域番号 |
17K05802
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
上野 圭司 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (20203458)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | シランチオン錯体 / メタノリシス / 不飽和結合 / ケイ素―硫黄結合 / 陽イオン性錯体 / シラノン錯体 / 反応性 / 構造 / 合成 / シリレン錯体 / 有機金属化学 / 錯体化学 / シラノン / 不飽和ケイ素化合物 |
研究実績の概要 |
シラノン錯体の硫黄類縁体であるシランチオン錯体として、初めての陽イオン性シランチオン錯体の合成に成功した。シリルスルファニル錯体Cp*(CO)3WSSiR2H ( Cp* = η5-C5Me5, R = Me (1), Ph (2)))とPh3CTFPB (TFPB- = B{3,5-(CF3)2C6H3}4-)をDMAP (DMAP = 4-Me2NC5H4N)共存下で反応させると,ケイ素上のHがPh3C+により引き抜かれ,ケイ素にDMAPが配位した陽イオン性シランチオン錯体[Cp*(CO)3W{S=SiR2.DMAP}]TFPB (R= Me (3), Ph (4))が得られた。錯体3および4はそれぞれ収率80および75%で単離できた。錯体3は単結晶X線結晶構造解析に成功し,短いSi=S結合,長いW-S結合を持つことなどの特徴が明らかになった。錯体4にMeOHを加えると,速やかに反応してメトキシシリルスルファニル錯体Cp*(CO)3WSSiPh2OMeおよび[H.DMAP]TFPBが得られた。遊離のシランチオンR2Si=Sとメタノールとの反応では,一般にメトキシシランチオールMeOR2SiSHが生成するが,錯体4の反応では対応するシランチオールは生成しない。 なお,陽イオン性シランチオン錯体の原料であるシリルスルファニル錯体Cp*(CO)3WSSiR2H (R = Me (1), Ph (2))は,Li[Cp*(CO)3WS]とR2SiHClとの反応により,中程度の収率で合成した。錯体1は単結晶X線結晶構造解析に成功し,長いW-S結合,単結合に相当するSi-S結合を持つことを明らかにしている。上記で述べたシランチオン錯体ではSi-S結合がかなり短縮しており,二重結合性を有することがデータから明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初めての陽イオン性シランチオン錯体の合成に成功し,その構造,反応性を明らかにできた。また,本成果を論文としてまとめ,出版した。シラノン錯体の研究も順調に推移しており、全体として順調に進展していると評価している。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進んでおり,このまま継続する。
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