研究課題/領域番号 |
17K05845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物性化学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
桑原 俊介 東邦大学, 理学部, 准教授 (40359550)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 分子モーター / 分子マシン / E-Z熱異性化 / 光異性化 / シス-トランス光異性化 / トランス-シス熱異性化反応 / 超分子化学 |
研究成果の概要 |
がん細胞の選択的破壊を目指し,可視光で回転する分子モーター(1)を設計した.Ru(bpy)3発色団が可視光照射により励起され,分子モーター部分へのエネルギー移動により回転が起こると予想した. 1の合成の過程において,分子モーターの新規E-Z熱異性化を発見した.分子モーター(E)-9から(Z)-9へのE-Z熱異性化の動力学を明らかにし,3ステップで回転する機構を提唱することができた.(E)-1aに452 nmの光を照射した結果,80%程度の割合で(Z)-1cに異性化した.同様に(Z)-1cから(E)-1aへの異性化も確認することができ,可視光で回転する分子モーターを開発することに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のがん治療は放射線療法,化学療法が主流であるが,副作用を伴う.副作用を最小限にするためにがん細胞だけを殺すための分子標的薬が開発されているが,その数は少ない.近年,フタロシアニンを連結した抗体をがん細胞に導入し,近赤外光の照射で発生させた熱の圧力波でがん細胞を死滅させる方法が報告された.本研究では分子マシンの回転運動でがん細胞だけを破壊することで,より副作用がないがん治療が行えるのではないかと考えた.開発した分子モーターは,細胞に有害な紫外線ではなく,可視光の照射で機能させることができた.分子モーターのさらなる改良によって,新しいがん疾患の治療手段の開発につながると考えられる.
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