研究課題/領域番号 |
17K05926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
城所 俊一 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (80195320)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 蛋白質核酸相互作用 / 分子設計 / 高安定化 / 一本鎖核酸 / PCR / 熱測定 / アニーリング / 熱解離 / 蛋白質工学 / ジスルフィド結合 / 塩結合 / DSC / 蛋白質・核酸相互作用 |
研究成果の概要 |
高度好熱菌由来低温ショック蛋白質(CSP)に2本のジスルフィド結合を導入した変異CSPを設計、大腸菌で大量発現・精製した。この変異体は中性pHで100℃を超える熱変性温度を示し、高い核酸結合性を保持しながらPCR使用に十分な熱安定性を持つことを確認し、実際に、この変異体を適度な濃度で共存させることで、PCRの伸張反応に必要な時間を短縮できることがわかった。しかし、高濃度の共存ではアニーリングの際の二重螺旋構造形成を阻害することによるPCR産物の減少が観測された。詳細な解析により、PCRに利用するためには、CSPの持つ核酸結合能を温度によってオン・オフ制御することが重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、立体構造に基づく合理的設計により、分子機能を保持したまま100℃を超える高い熱安定性を付与することに成功し、また蛋白質核酸相互作用の新しい熱力学的手法を提供しており、学術的な意義は大きい。また、PCR法は遺伝子を扱う最も基本的な技術の一つであり、最近のCOVID-19の感染判定に使用されるなど広く使用されているが、途中で生じる一本鎖核酸は、分子内・分子間で高次構造を形成しやすい性質を持ち、これがPCRの予期しない結果を生む主な原因と考えられる。本研究課題は、一本鎖核酸の高次構造形成を抑制することでこの問題の解決をめざし、この実現のための課題を明確にしており、社会的意義も大きい。
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