研究課題/領域番号 |
17K05993
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西田 幸次 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80189290)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 結晶性高分子 / リングライト / ダークリング / 融点の逆転 / ギブズ-トムソン効果 / 非平衡性 / 高分子・繊維加工 / 高分子球晶 / リング状結晶 / 融点の逆転現象 / 高次構造制御 / 部分融解再結晶化 / 球晶 |
研究成果の概要 |
リング状の形態を有する高分子の結晶が得られた.これをリングライトと名付けた.リングライトは,単一成分の高分子から成り,同心円状に配置された結晶領域と溶融領域で構成されている. その形成は,ギブズ-トムソン効果の現れの一つである. 一方,溶融体によるリング構造も得られた. こちらは、偏光顕微鏡で観察すると暗黒のリングとして観察されるため,ダークリングと名付けた. ダークリングは,特定の加熱速度が融点の反転を引き起こす効果によって形成した. リングライトとダークリングは,結晶領域と溶融した領域が逆転した構造となっており,どちらも結晶性高分子の非平衡性を利用した人工的高次構造である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リングライトの形成は,ギブズ-トムソン効果の可視化という意義を有する.純物質の融点は不変と考えられがちであるが,ギブズ-トムソン効果を効果的に利用することで,結晶性高分子の融点が制御可能であるということをリングライト形成の可視化により示せたことになる. また,融点の反転現象の可視化は,本来低融点であるはずの領域が高融点化するという特異な現象であり,工業的には結晶性高分子材料の耐熱化への応用も期待される. リングライトとダークリングは,学術雑誌の表紙を飾るほど,“美しい”構造であり,サイエンスの成果が専門外の方への啓蒙につながれば幸いである.
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