研究課題
基盤研究(C)
本研究はナトリウムイオン電池において負極炭素の容量向上の鍵を握る内部空間でのナトリウムイオンの吸蔵挙動を明らかにすること、高速充放電電池を実現可能なアルカリ金属-有機分子共挿入系黒鉛電極内の分子とイオンの挙動を明らかにすることを目的として、固体核磁気共鳴(NMR)法を用いた解析を行った。炭素負極内の内部空間サイズが拡大すると細孔内に形成される擬金属Naクラスターのサイズも拡大し金属性が増すこと,Na―有機分子錯体の高い拡散性が高速充放電を可能にすることを示した。また、オペランドNMR分析により過充電時の負極上での金属(ナトリウム)析出過程を示し、炭素へのリチウム挿入との違いを明確化した。
ナトリウムイオン電池炭素負極の高容量化には擬金属Naとして吸蔵されるナトリウムを増やすことが有効と考えられる。本研究では擬金属Naの生成と細孔サイズの関係を明らかにした。過充電時においても、ナトリウムはある程度までは炭素内部細孔に擬金属として貯蔵され、デンドライト析出を抑制するバッファーとして作用することを解明した。これらの結果は、炭素負極の高容量化や安全性評価に不可欠な情報であり、ナトリウムイオン電池実用化において学術的・社会的意義のある成果と考えられる。
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