研究課題
基盤研究(C)
臭素原子を有するDNF-V誘導体を設計し、グラムスケールで合成・単離・精製することに成功した。種々のピリジル基を有するDNF-V誘導体を効率的に合成した。この検討で得られた知見を元にして非対称のパイ系を有する誘導体(DNF-L, DNT-L)を検討した。これらの分子はアモルファスシリコンに匹敵する移動度、非常に低い閾値電圧を持つ塗布型有機トランジスタ材料の分子設計が示された。本研究を通した検討で、アルキル基を全く持たない縮環パイ系化合物であっても、パイ系のつながり方を適切に設計すれば、塗布型有機トランジスタ材料に求められる溶解度の条件を十分に満たせることが明らかになった。
本研究および以前の研究で得られた知見を元にDNF-L, DNT-Lを設計・合成し、大スケールで得ることができた。従来の有機半導体分子は溶解度を賦与させるために長鎖アルキル基を導入することが一般的であったが、本研究において、必ずしもそれは必要でなく、パイ系のネットワークをうまくコントロールすれば、導電性を賦与するパイ系しか持たない分子でも十分な移動度が得られることを示した。これは今後の有機半導体の分子設計において重要な知見であると考えられる。
すべて 2020 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件)
Chemistry Letters
巻: - 号: 6 ページ: 685-688
10.1246/cl.200161
130007852080
Org. Lett.
巻: 21 号: 12 ページ: 4448-4453
10.1021/acs.orglett.9b01239
Asian J. Org. Chem
巻: 7 号: 11 ページ: 2309-2314
10.1002/ajoc.201800403
Advanced Science
巻: 5 号: 1 ページ: 1700317-1700317
10.1002/advs.201700317
120007133962
Bulletin of the Chemical Society of Japan
巻: 90 号: 8 ページ: 931-938
10.1246/bcsj.20170030
130005973689
Journal of Materials Chemistry C
巻: 5 号: 8 ページ: 1903-1909
10.1039/c6tc04721a