研究課題/領域番号 |
17K06746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 大阪電気通信大学 (2019-2022) 京都工芸繊維大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
矢ヶ崎 善太郎 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (90314301)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 茶室 / 露地 / 煎茶 / 地域性 / 近代和風建築 / 大工 / 庭師 / 数寄空間 / 多様性 / 和風 / 職人 / 茶屋 / 数寄屋 / 茶の湯 / 建築史・意匠 |
研究成果の概要 |
文人趣味を基本にする煎茶の場の存在は、抹茶のそれにも劣らず多くの地域に存在していることを明らかにした。近世から昭和初期にかけて、特に皇族や維新の志士たち、近代の数寄者といわれる人たちは煎茶への志向が強く、このような人たちによって煎茶の場としての数寄空間が多く造営された。また、それらを造営してきた数寄屋大工や庭師たちが地域間の移動や異なる専門性を有する職方との交流を通じて仕事の場を広め、時代の多様な要求に対応していた姿が明らかになった。このような多様な数寄空間が近代以降の和風建築をつくりあげる原動力になっていた可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、茶室や露地(数寄空間)は茶の湯(抹茶)のための空間として捉えられるがもっぱらであったが、本件研究が煎茶の場としての性格を有する数寄空間の存在とその優位性を明らかにしたことは、これまでの茶室研究の見直しを促す契機となる。また、京都を中心として研究されてきた数寄空間に地域的広がりを見出し、このような多様な数寄空間の存在が近代以降の和風建築をつくりあげる原動力になっていた可能性を明らかにしたことは、日本建築史の流れの中に茶室や近代和風建築を正統に位置づける意味において重要な成果である。
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