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木造三重塔における組上げ構法の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K06767
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 建築史・意匠
研究機関独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所

研究代表者

西山 和宏  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (10290933)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2018年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード三重塔 / 組上げ構法 / 再構築 / 建築学 / 建築史・意匠
研究実績の概要

瀬戸内地方での検討では、岡山県内で古い部類に属する永和2年(1376)の宝福寺三重塔は四天柱を省略、側柱を長柱(繋肘木上に立つ)に、応永23年(1416)の遍照院三重塔でも四天柱、側柱ともに長柱とする長柱構法であり、その後の大滝山三重塔(室町中期)では側柱を化粧垂木上の柱盤に、四天柱を長柱とする併用式であることから、長柱構法が導入された後、その影響を受けて併用式が出現したものと推定された。
しかし、範囲を近畿地方に広げて検討を進めていくと、鎌倉後期の百済寺三重塔(奈良)が併用式であり、長柱構法は文正元年(1466)の八幡神社三重塔(兵庫)が最も古く、先に併用式が現れ、その後、長柱構法へと発展した可能性が浮上した。
ここで、四天柱の役割に着目すると、古代からの積重ね構法では、四天柱は隅木上の柱盤に立ち、隅木の尻をおさえる役割を担っていた。併用式の場合、隅木は四天柱に差されているものが多く、四天柱の役割は積重ね構法と同様であったと考えられる。四天柱を長柱とした大きな要因は、四天柱と隅木を緊結し、この役割を強固なものとするためなのではなかろうか。このように考えれば、まずは併用式が現れ、その後、長柱構法へと発展していくとみることができよう。八幡神社三重塔のように、四天柱に隅木を差す長柱構法の存在もその傍証となろう。宝福寺三重塔でも四天柱は省略されているが、側柱が隅木を跨ぐように立てられ、隅木は側柱よりも内側、本来四天柱が立つ位置まで延びており、八幡神社三重塔と同類とみなせる。
一方、遍照院三重塔では、隅木は側柱に差され、隅木の尻を押さえる役割は四天柱から側柱に変更となるなど、同じ長柱構法でも他の例とは大きく異なっている。併用式や長柱構法は中部地方等、他の地域にも存在することが先行研究により明らかにされていることから、組上げ構法の再構築には、さらに地域を広げての検討が必要であろう。

報告書

(2件)
  • 2018 実績報告書
  • 2017 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2017-04-28   更新日: 2019-12-27  

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