研究課題/領域番号 |
17K06852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
徐 平光 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究副主幹 (80554667)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 集合組織 / 鉄鋼材料 / 水素脆化 / 中性子回折 / Texture evaluation / Hydrogen embrittlement / High stength steel plate / Neutron diffraction / Texture analysis / Tensile deformation / high strength steel / Hydrogen charging / High strength steel / 遅れ破壊 / 超高強度鋼 / 集合組織制御 |
研究成果の概要 |
水素含有有り及び無しの高強度鋼板を用いて、引張変形の中性子回折実験を行った。引張結晶配向の形成が確認でき、更に水素含有有りの場合は無しの場合に比べて、上記の形成過程が加速していることが初めて観察された。水素含有有りの場合には、異なる配向を有する結晶粒の間の変形調和能力が一定程度に制限され、格子欠陥形成が促進されることで一部の結晶粒の変形が早くなり、他の結晶粒との調和変形が難しくなることで、均一伸び率が低くなることが解明された。また、鋼板の圧延方向では鋼板の横方向に比べて、良い耐水素脆化特性が示された。よって、集合組織を制御することで、水素脆化の方向性を改善することが可能であったと判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自動車などの軽量化のために超高強度鋼が急速開発されている一方、微量な水素による危険な延性低下現象が生じるメカニズムの解明が必要である。これまで多くの水素脆化学説があったが、その統合的な解明には、バルク材料を負荷しながら水素脆化破断に至る結晶配向を含むその場組織変形挙動が不可欠だった。本研究では、水素含有有無の条件は集合組織がある高強度鋼板の単軸変形挙動とその異方向特性に影響すること、また、集合組織制御によって、水素脆化の異方向特性が一定程度に改善される可能性があることを解明した。この研究が今後の超高強度鋼板の開発に応用され、将来的には地球温暖化問題の解決にも貢献していくと期待できる。
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