海洋細菌由来新規キノン含有アミノ酸オキシダーゼの形成機構及び構造特性の解析と応用

• 研究課題/領域番号: 17K06926
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生物機能・バイオプロセス
• 研究機関: 岡山大学
• 研究代表者: 稲垣 賢二 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (80184711)
• 研究分担者: 今田 勝巳 大阪大学, 理学研究科, 教授 (40346143)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2019年度)
• 配分額: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円); 2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: 海洋細菌 / Marinomonas mediterranea / グリシンオキシダーゼ / L-リシン ε-オキシダーゼ / バイオセンサー / システイントリプトフィルキノン / 基質特異性 / Marinimonas mediterranea / キノン補酵素 / キノン含有酵素 / アミノ酸オキシダーゼ / X線結晶構造 / 生物工学

研究成果の概要

海洋性細菌 Marinomonas mediterranea はL-リシン-ε-オキシダーゼ(ε-LysOX)とグリシンオキシダーゼ(GlyOX)を生産し, 両酵素は菌体外のバイオフィルム形成に関与している. ε-LysOXは補酵素としてビルトイン型補酵素のシステイントリプトフィルキノン(CTQ)を持ち， 基質特異性が厳格な酵素である。本研究ではこれら酵素の構造と機能の解析及び応用開発のため両酵素の大腸菌発現系の構築に成功し，精製系も確立できた。更に両酵素が厳格な基質特異性を有すること， バイオセンサーに有用であることを明らかにして， 産業応用の基盤構築に成功した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

L-リシン-ε-オキシダーゼ(ε-LysOX)は補酵素としてビルトイン型補酵素のシステイントリプトフィルキノン(CTQ)を持つことがアミノ酸オキシダーゼではじめて判明した酵素であり，グリシンオキシダーゼ(GlyOX)も同様にCTQ依存性で，酵素進化的にも極めて興味深い酵素群である。両酵素ともに極めて基質特異性が厳格な酵素で，バイオセンサーを始め，臨床医薬にも貢献が期待される。今本研究の成果により学術的にも産業的にも利用の進展が期待できる。

研究成果

• [雑誌論文] Marimononas mediterranea由来キノン含有新規グリシンオキシダーゼの大腸菌発現系の構築と性質検討 (2020)
  • 著者名/発表者名: 梶山雄輝，溝端佐津紀，赤地周作，根本理子，田村隆，稲垣賢二
  • 雑誌名: 岡山大学農学部学術報告 巻: 109 ページ: 1-6
• [雑誌論文] Novel method for L-methionine determination using L-methionine decarboxylase and application of the enzyme for L-homocysteine determination. (2020)
  • 著者名/発表者名: Okawa, A., Hayashi, M., Inagaki, J., Okajima, T., Tamura, T., and Inagaki, K.
  • 雑誌名: Biosci. Biotechnol. Biochem. 巻: 84 号: 5 ページ: 927-935
  • DOI: 10.1080/09168451.2020.1715781
  • NAID: 130008122240
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Antiviral effect of sinefungin on in vitro growth of feline herpesvirus type 1 (2019)
  • 著者名/発表者名: Kuroda Yudai、Yamagata Haruka、Nemoto Michiko、Inagaki Kenji、Tamura Takashi、Maeda Ken
  • 雑誌名: The Journal of Antibiotics 巻: 72 号: 12 ページ: 981-985
  • DOI: 10.1038/s41429-019-0234-4
  • 査読あり
• [雑誌論文] Application of l-methionine γ-lyase in chiral amino acid analysis (2019)
  • 著者名/発表者名: Kato, S., Inagaki, K., Oikawa, T.
  • 雑誌名: Anal. Biochem. 巻: 580 ページ: 56-61
  • DOI: 10.1016/j.ab.2019.05.018
  • 査読あり
• [雑誌論文] Redox-tuning of oxidizing disulfide oxidoreductase generates a potent disulfide isomerase (2019)
  • 著者名/発表者名: Sutoh Shinya、Uemura Yuko、Yamaguchi Yuko、Kiyotou Asako、Sugihara Rena、Nagayasu Makiko、Kurokawa Mihoko、Ito Koreaki、Tsunekawa Naoki、Nemoto Michiko、Inagaki Kenji、Tamura Takashi
  • 雑誌名: Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Proteins and Proteomics 巻: 1867 号: 3 ページ: 194-201
  • DOI: 10.1016/j.bbapap.2018.12.005
  • 査読あり
• [雑誌論文] Redox-tuning of oxidizing disulfide oxidoreductase generates a potent disulfide isomerase. (2019)
  • 著者名/発表者名: Sutoh,S.,Uemura,Y.,Yamaguchi,Y.,Kiyotou,A.,Sugihara,R.,Nagayasu,M.,Kurokawa,M.,Ito,K.,Tsunekawa,N.,Nemoto,M.,Inagaki,K.,Tamura,T.
  • 雑誌名: Biochim. Biophys. Acta. 巻: 1867 ページ: 194-201
• [雑誌論文] The hyperthermophilic cystathionine γ-synthase from the aerobic crenarchaeon Sulfolobus tokodaii: expression, purification, crystallization and structural insights. (2017)
  • 著者名/発表者名: Sato,D., Shiba,T., Mizuno,S., Kawamura,A., Hanada,S., Yamada,T., Shinozuki,M., Yanagitani,M., Tamura,T., Inagaki,K., and Harada,S.
  • 雑誌名: Acta. Cryst. 巻: F73 ページ: 152-158
  • 査読あり
• [雑誌論文] Structural and mechanistic insights into homocysteine degradation by a mutant of methionine γ-lyase based on substrate-assisted catalysis. (2017)
  • 著者名/発表者名: Sato,D., Shiba,T., Yunoto,S., Furutani,K., Fukumoto,M., Kudou,D., Tamura,T., Inagaki,K., and Harada,S.
  • 雑誌名: Protein Science 巻: 26 ページ: 1224-1230
  • NAID: 130007628790
  • 査読あり
• [学会発表] 糸状菌由来 L-リシンα-オキシダーゼの活性中心に存在するAsp212残基の機能解析 (2020)
  • 著者名/発表者名: 齋藤雅哉，松本侑也，松田崚汰，北川征樹，伊藤菜奈子，今田勝巳，日下部均，根本理子，田村隆，稲垣賢二
  • 学会等名: 日本農芸化学会2020年度大会
• [学会発表] 海洋性細菌由来キノン（CTQ）含有型L-リシン-ε-オキシダーゼの大腸菌発現系構築，精製と性質検討 (2020)
  • 著者名/発表者名: 横山大輝，梶山雄輝，赤地周作，根本理子，田村隆，稲垣賢二
  • 学会等名: 日本農芸化学会中四国支部第56回講演会
• [学会発表] 糸状菌由来 LysOX 二重変異体の基質特異性変換機構 (2019)
  • 著者名/発表者名: 北川征樹，松田崚汰，松本侑也，根元理子，田村隆，日下部均，稲垣賢二，今田勝巳
  • 学会等名: 酵素・補酵素研究会2019
• [学会発表] 糸状菌由来 L-リシンα-オキシダーゼの活性中心に存在するD212残基の機能解析 (2019)
  • 著者名/発表者名: 齋藤雅哉，松本侑也，北川征樹，伊藤菜奈子，今田勝巳，日下部均，根本理子，田村隆，稲垣賢二
  • 学会等名: 酵素・補酵素研究会2019
• [学会発表] 糸状菌L-リシン酸化酵素の前駆体領域による活性制御の構造基盤 (2019)
  • 著者名/発表者名: 北川征樹，伊藤菜奈子，松本侑也，天野万里，田村隆，日下部均，稲垣賢二，今田勝巳
  • 学会等名: 酵素・補酵素研究会2019
• [学会発表] 糸状菌由来LysOX変異体の基質特異性変換の構造基盤 (2019)
  • 著者名/発表者名: 北川征樹，松田崚汰，松本侑也，根本理子，田村隆，日下部均，稲垣賢二，今田勝巳
  • 学会等名: 第71回日本細胞生物学会大会
• [学会発表] L-リシンα-オキシダーゼ変異酵素のX線結晶構造解析と基質認識機構の解析 (2019)
  • 著者名/発表者名: 松本侑也，天野万里，齋藤雅哉，北川雄輝，今田勝巳，日下部均，根本理子，田村隆，稲垣賢二
  • 学会等名: 日本ビタミン学会第71回大会
• [学会発表] 高基質特異性酵素L-リシンα-オキシダーゼの基質認識機構の解析 (2019)
  • 著者名/発表者名: 松本侑也，天野万里，北川雄輝，今田勝巳，根本理子，日下部均，田村隆，稲垣賢二
  • 学会等名: 日本農芸化学会2019年度大会
• [学会発表] 海洋性細菌Marinomonasu mediterranea由来CTQ依存性グリシンオキシダーゼの精製と性質検討 (2019)
  • 著者名/発表者名: 平岩祥太朗，梶山雄輝，溝端佐津紀，赤地周作，根本理子，田村隆，稲垣賢二
  • 学会等名: 日本農芸化学会中四国支部第53回講演会
• [学会発表] 海洋性細菌由来キノン(CTQ)含有型グリシンオキシダーゼの大腸菌発現系の構築及び組換え酵素の精製 (2018)
  • 著者名/発表者名: 梶山雄輝，平岩祥太朗，溝端佐津紀，根本理子，田村隆，稲垣賢二
  • 学会等名: 第4回日本生物工学会西日本支部講演会
• [学会発表] 高基質特異性L-アミノ酸オキシダーゼの1種L-リシンα-オキシダーゼから部位特異的変異により作成した新規な芳香族アミノ酸オキシダーゼの性質 (2018)
  • 著者名/発表者名: 松本侑也，北川雄輝，今田勝巳，根本理子，田村隆，日下部均，稲垣賢二
  • 学会等名: 第70回日本生物工学会大会
• [学会発表] 抗腫瘍性酵素L-リシンα-オキシダーゼの活性中心残基への突然変異による基質認識機構の解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 松本侑也，天野万里，北川雄輝，今田勝巳，根本理子，日下部均，田村隆，稲垣賢二
  • 学会等名: 日本ビタミン学会第70回大会
• [学会発表] 高基質特異性L-アミノ酸オキシダーゼは切断され, 高活性で安定になる？ (2017)
  • 著者名/発表者名: 松本侑也, 松尾慎作, 天野万里, 根本理子, 田村隆, 伊藤菜奈子, 今田勝己, 日下部均, 稲垣賢二
  • 学会等名: 2017年度酵素補酵素研究会
• [学会発表] 糸状菌由来L-リシンα-オキシダーゼ前駆体の精製, 性質検討およびX線結晶構造解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 松本侑也, 天野万里, 伊藤菜奈子, 今田勝己, 根本理子, 日下部均, 田村隆, 稲垣賢二
  • 学会等名: 第17回日本蛋白質科学会年会
• [図書] Methionine Dependence of Cancer and Aging (2019)
  • 著者名/発表者名: Hoffman, RM., Tan, Y., Li,S., Han, Q., Yagi, S., Takakura, T., Takimoto, A., Inagaki, K., Kudou, D.
  • 総ページ数: 25
  • 出版者: Humana Press (New York)