研究課題/領域番号 |
17K07021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
阿部 陽介 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究副主幹 (50400403)
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研究分担者 |
大久保 成彰 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究副主幹 (60391330)
佐藤 裕樹 広島工業大学, 工学部, 教授 (20211948)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 格子間原子集合体 / 一次元運動 / イオン照射 / カスケード損傷 / 電子顕微鏡その場観察 / 原子力材料 / 照射効果 / 純鉄 |
研究成果の概要 |
原子炉構造材料では、中性子照射により弾き出された格子間原子の集合体による一次元(1D)的な高速拡散が、ミクロ組織変化に影響を与えることが知られている。本研究課題では、中性子照射下での連鎖的な弾き出し(カスケード損傷)を模擬するため、イオン照射下での電子顕微鏡その場観察実験により、高純度鉄及び鉄基合金における格子間原子集合体の1D運動挙動を調べた。その結果、残留不純物や溶質原子に加えて、カスケード損傷下で直接形成される照射欠陥が1D運動を阻害することが示唆された。また、1D運動を阻害しているトラップの入射ビームによる弾き出しが原因で、格子間原子集合体が1D運動を生じることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
実炉環境において、カスケード損傷の影響解明は原子力材料分野における衆目一致の重要課題であるものの、その素過程は十分に理解されていなかった。本研究課題では、イオン照射下その場観察実験を用いて、実炉環境下での照射損傷過程の基礎的理解の深化にとって重要である、カスケード損傷下での格子間原子集合体の1D運動の素過程を明らかにした。本実験手法が素過程の機構解明にとって有用であることを示したことは学術的意義がある。また、この成果は、ミクロ組織変化の予測モデルの高度化に繋がることが期待され、原子炉材料の長期健全性を担保する上で重要な社会的意義を有する。
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