研究課題/領域番号 |
17K07058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
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研究機関 | 東京女子医科大学 (2018-2019) 広島大学 (2017) |
研究代表者 |
河村 寿子 (中山寿子 / 中山 寿子) 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70397181)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 小脳 / プルキンエ細胞 / シナプス刈り込み / ミクログリア / 登上線維 / パッチクランプ / シナプス / 神経回路発達 / 神経回路形成 / 発達 / シナプス再編成 |
研究成果の概要 |
脳機能はシナプス結合を介したニューロン間の情報伝達によって実現する。シナプス結合は、発達初期に大まかに過剰に作られたのち、生育環境・経験に合わせて選別され、不要なシナプスは刈り込まれて機能的に成熟する。本課題では、小脳登上線維―プルキンエ細胞間シナプス結合をモデルに用いて、脳の免疫細胞であるミクログリアがシナプス刈り込みへどのような機構で関与するかを研究した。その結果、ミクログリアは抑制性シナプス伝達が適切に機能することに必須であり、ミクログリアによる抑制性シナプス成熟はプルキンエ細胞に内在する、抑制性シナプスに依存した登上線維刈り込みのプロセスを間接的に活性化することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ミクログリア由来因子によってニューロン間のシナプス機能が調節され、シナプス刈り込みに関わるという、神経回路発達におけるミクログリアの新たな役割を提唱した点で学術的意義がある。これにより、グリアとニューロンネットワークの相互作用による脳機能成熟の統合的理解が深まると期待できる。また、自閉症や統合失調症などでは脳の興奮と抑制のバランスの乱れに加えて、ミクログリア機能の破綻も指摘されているので、健常脳の発達過程において、ミクログリアが抑制性シナプス伝達を修飾するという本研究成果は、それらの精神・神経疾患の病態の理解と治療方法の解明に貢献するものと期待される。
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