研究課題/領域番号 |
17K07064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
中村 行宏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40460696)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | シナプス伝達 / シナプス前終末 / カルシウムチャネル / シナプス小胞 / 短期可塑性 / カルシウムキレート剤 / パッチクランプ / Held萼状シナプス / 開口放出 / シミュレーション / シナプス / シナプス前末端 / 神経伝達物質放出 / 脳・神経 / 生理学 / シグナル伝達 |
研究成果の概要 |
シナプス前終末内における電位依存性カルシウム(Ca)チャネルとシナプス小胞の配置は、神経伝達物質放出の確率やタイミングを制御するが、小胞の分布についての詳細は不明であった。Caキレート剤EGTAのシナプス前終末注入実験ならび、Caの反応拡散・伝達物質放出シミュレーションによって、成熟した脳幹Held萼状シナプスでは、即時放出可能シナプス小胞の7割がCaチャネルから50 nm以内に分布し、通常の活動電位は20 nm付近の小胞を開口放出させることが明らかになった。また、繰り返し刺激によって小胞の分布に変化はみとめられなかったことから、シナプス短期可塑性の主因は小胞の補充機構にあることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電位依存性Caチャネルと即時放出可能シナプス小胞の局所配置は神経伝達物質放出の確率やタイミングを制御する。中枢神経シナプス前終末では数十個のCaチャネルがクラスター状に存在することが知られていたが、本研究が明らかにした即時放出可能小胞の分布は、これを相補する分子の局所配置に関する重要な知見である。短期可塑性で小胞の分布に変化が生じないことは、小胞の補充こそが短期可塑性を担う本質的な機構であることを示唆するものであり、今後の可塑性研究の展開が待たれる。またEGTAによるナノドメインCaの抑制を示したシミュレーションは、通説に一石を投じ過去の実験の解釈の見直しを迫るものである。
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