研究課題/領域番号 |
17K07087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 秋田大学 (2018-2019) 旭川医科大学 (2017) |
研究代表者 |
板東 良雄 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20344575)
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研究分担者 |
吉田 成孝 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20230740)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ERストレス / オリゴデンドロサイト / 脱髄 / 髄鞘構造 / MBP / 小胞体ストレス / 自己抗体 / 多発性硬化症 |
研究成果の概要 |
我々は近年、髄鞘構成蛋白質であるMBPの構造異常の変化が多発性硬化症(MS)の再発に関与している可能性を見出した。本研究の一連の結果から異常な髄鞘形成は髄鞘構成蛋白質に対する自己抗体および小胞体ストレスが髄鞘形成に関与し、オリゴデンドロサイトにおけるMBP産生能が亢進することが明らかとなった。また、MBPアイソフォームの一つが変性を起こし、MBPのバランスが崩れることによって異常な髄鞘が形成されることが明らかとなった。さらに、変性蛋白質の産生抑制により異常な髄鞘構造の出現も抑制することができ、この抑制効果はin vitroのみならずin vivoにおいても一定の効果を示すことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、自己抗体や炎症反応によって惹起されるERストレスによりOLにおけるMBPの蛋白合成が異常となった結果、産生される変性MBPが異常な髄鞘構造の形成に関与していることを明らかにした。さらに、分子シャペロン誘導剤を用いることによってこのような異常な髄鞘構造の形成を抑制でき、EAEの症状を改善できることも明らかにした。これら一連の成果はERストレスを標的とした薬剤がMS治療に有効である可能性を示唆するものであり、これまでにない全く新しい視点のMS治療薬を開発する上で基盤になるものと思われ、社会的にも貢献するものであると考えられる。
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