研究課題
基盤研究(C)
側脳室周囲の脳室下帯では、ニューロンが持続的に産生されている。脳梗塞後には幼若な新生ニューロンの一部が傷害部に移動してニューロンを再生するが、神経機能の回復には不十分である。我々は、新生ニューロンが分泌性蛋白質Slit1を介して、傷害で活性化し増生したアストロサイトの突起形成を阻害して移動していることを見いだした。Slit1の過剰発現によって、傷害部付近に定着する新生ニューロンが増加し、投射パターンも変化した。神経機能の改善度は、新生ニューロンの傷害部付近への分布の割合と高い相関が見られた。これらの結果から、新生ニューロンの分布制御が神経回路の再生効率の向上に重要であることが示唆された。
脳梗塞後の脳では顕著なアストロサイトの活性化が生じる。本研究では、これまでほとんど分かっていなかった活性化アストロサイトと新生ニューロンの相互作用メカニズムの一端を明らかにして、その操作により新生ニューロンの傷害部への移動を促進することに成功した。また、このメカニズムを応用して新生ニューロンの移動を操作することによって、最終的な分布位置、回路形成や機能再生の効率も変化することを明らかにして、脳の再生過程における新生ニューロンの分布制御の重要性を提示した。これらは、細胞を用いて傷害脳を再生する新たな治療戦略の確立にも有用な知見である。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 6件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 5件、 招待講演 9件) 備考 (3件)
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