研究課題
基盤研究(C)
がんの悪性進展において、がん特有の代謝調節の存在やその重要性が示されてきた。しかし、代謝調節がいかにがんの未分化性・悪性形質と連関しているのか、その詳細は不明である。本研究において、申請者は、細胞内カルシウムのホメオスタシスとミトコンドリアの機能を傷害し、エネルギー生産を抑制する化合物は膠芽腫細胞に対し細胞毒性を示し、その効果はオートファジーの阻害によって増強されることを明らかにした。これらの結果から、オートファジー代謝調節の阻害とカルシウムホメオスタシスの撹乱化合物の組み合わせは、膠芽腫の抑制に効果的であることが明らかになった。
膠芽腫は、治療抵抗性の予後不良悪性疾患であり、未だ治癒に至る有効な治療法は開発されていない。本研究では、がん特有の代謝調節を標的とした膠芽腫に対する新たな治療法の探索を行い、カルシウムホメオスタシスを撹乱する化合物とオートファジー阻害の組み合わせが膠芽腫の抑制に効果的であることを示した。これまで、がんの抑制におけるオートファジーの効果は相反する報告があり曖昧であったが、本研究の結果はオートファジー抑制によって感受性が増加する標的経路を特定するものである。また、本研究の結果は、膠芽腫の新たな治療法を提案するものである。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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