研究課題/領域番号 |
17K07162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中山 瑞穂 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (20398225)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 大腸がん / 悪性化 / p53 LOH / 転移 / p53 / Loss of heterogeneity / マウスモデル |
研究成果の概要 |
大腸がんによる死亡の多くは転移や再発など悪性化によるものである。近年のゲノム解析によりドライバー遺伝子は明らかになった一方で、原発巣や転移巣間での遺伝子変異に違いは認められずその分子機構の解明は十分ではない。 本研究は多くのがんで共通して発現しているミスセンス変異型p53に着目し、独自に開発したヒト大腸がんドライバー遺伝子変異を持つオルガノイドを用いて、個体レベルで原発巣と転移巣におけるp53遺伝子を調べた結果、ミスセンス変異p53発現腫瘍では多くが野生型p53の消失(LOH)が起きていることを突き止め、さらに、このような細胞が獲得している悪性化形質を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸がんの転移に関わる原因遺伝子はわかっていない。本研究は多くのがんで変異が入っているp53に着目し、大腸がん転移前後のp53遺伝子とそれに伴う腫瘍細胞の悪性形質を調べた。p53に変異が入っただけでは悪性度は低いが、これに野生型p53欠損(LOH)が組み合わさることで、高い転移能力を獲得していることが分かった。ヒトのがんで見つかるp53の多くが変異+LOHの組み合わせであることから、このようなp53は転移における責任遺伝子のひとつであることが示唆された。この研究によりp53変異によるがん悪性化の詳細なメカニズムが明らかとなり、また創薬の分野においてもp53はターゲットとして広がりが期待される。
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