研究課題/領域番号 |
17K07167
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藪田 紀一 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (10343245)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / 上皮間葉転換 / 細胞増殖 / 悪性化 / Hippo経路 / LATS / リン酸化 / TGF-β / 癌 / シグナル伝達 |
研究成果の概要 |
上皮間葉転換(EMT)と間葉上皮転換(MET)は、癌細胞が悪性化するために不可欠なプロセスであるが、その分子機構は不明である。本研究では、口腔上皮癌細胞株SASから間葉様のDelta-SASと上皮様のSAS-δの2種類の癌細胞株を樹立した。SAS-δは重層的な異常増殖を示し、マウス舌移植において浸潤性腫瘍を形成した。これは、SAS-δが高悪性化の癌細胞株に転換したことを示唆する。LATS1/2キナーゼは転写因子SLUGをリン酸化し、SLUGの除去はSAS-δの浸潤能を促進した。本研究は、LATS1/2-SLUG経路がEMTとMETの連続転換を行うことで、高悪性化癌へ移行させることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌治療における最大の障壁は癌細胞の進展(悪性化)による浸潤・転移と、薬剤耐性能や放射線耐性能を獲得した癌幹細胞に由来するとされる癌の再発である。上皮間葉転換(EMT)と間葉上皮転換(MET)は浸潤転移や幹細胞化を誘導するため、悪性癌細胞の成り立ちや分子機序を理解する上で重要な細胞内機構の一つである。本研究の成果は、癌細胞がEMTとMETを連続的に繰り返すことによりさらに悪性度が高い癌細胞に形質転換する分子機構を解明し、これを標的とした新しい癌診断法や画期的な治療法の開発に繋がるものである。
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