研究課題/領域番号 |
17K07174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大坪 和明 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (30525457)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 糖鎖修飾 / がん糖鎖 / シアリルTn抗原 / 転移 / 浸潤 / 低酸素 / エクソソーム / インテグリン / 抗酸化酵素 / sTn抗原 / がん転移 |
研究成果の概要 |
がんの進展に伴って生じるがん微小環境ががん細胞に特異的な糖鎖分子の合成を誘導するが、その生物学的意義は十分には解明されていない。がん糖鎖sTn抗原の発現細胞においては、mRNAの発現上昇を伴わないインテグリンタンパク質の発現上昇が観察された。その原因が、細胞表面におけるインテグリンタンパク質の安定化によるタンパク質の増加に起因することを明らかにした。また、sTn抗原発現細胞ではエクソソーム産生レベルが上昇し、そのエクソソーム受容細胞の機能変化を惹起することを見出した。さらに、sTn抗原合成酵素の阻害剤が、がん細胞の運動能を直接抑制するメカニズムを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの進展に伴い形成されるがん微小環境はがん細胞に様々な生物学的機能を付与し、これががん治療を困難にしていることが知られている。とりわけ、低酸素環境に暴露されたがん細胞が獲得する糖鎖分子である、sTn抗原の発現はがん患者の予後の不良や転移と強く相関することが多くのがん種で報告されており、その生物学的役割を理解することは、新しいがん治療法や治療薬を開発する上で重要な意義がある。さらに、われわれはsTn抗原合成酵素の阻害剤の取得に成功しており、従前の治療法と組み合わせることで現代の多角的がん治療戦略に貢献するものと考える。
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