研究課題/領域番号 |
17K07175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
石川 千恵 琉球大学, 亜熱帯島嶼科学超域研究推進機構, 助教 (90542358)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 成人T細胞白血病 / HTLV-1 / インポーチン / インポータゾル / イベルメクチン / NF-κB / AP-1 / 原発性体腔液性リンパ腫 / Importazole / Ivermectin / ウイルス / 癌 / シグナル伝達 / 発現制御 |
研究成果の概要 |
転写因子NF-κB/AP-1の核内輸送にはインポーチン(IPO)蛋白質が重要である。HTLV-1感染が原因の成人T細胞白血病(ATL)の治療標的としてIPOを検証した。 感染T細胞でIPOβ1の発現が亢進し、IPOβ1のノックダウンやIPOβ1阻害剤インポータゾル、IPOα/β1阻害剤イベルメクチンは感染T細胞株の増殖や生存を抑制した。両阻害剤はNF-κB/AP-1の核内移行を遮断し、両転写因子制御下の細胞周期関連蛋白質やアポトーシス阻害蛋白質の発現を抑制した結果、G1期での細胞周期停止とカスパーゼ依存性アポトーシスを誘導した。さらに、ATLマウスモデルでイベルメクチンは抗腫瘍効果を発揮した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ATLは完治困難であり、その発症・進展にNF-κB/AP-1の活性化は重要であるが、両転写因子を直接の標的とした治療法の臨床応用には成功していない。本研究では、転写因子の輸送機序に着目し、核内輸送蛋白質IPOβ1の発現が、ウイルス感染で誘導され、NF-κB/AP-1の核内移行にIPOβ1が重要な役割を果たしていることを証明した。さらに、IPOβ1の阻害剤は感染T細胞株でのNF-κB/AP-1の標的蛋白質の発現を抑制し、細胞周期停止やアポトーシスを誘導した。マウスでの抗腫瘍効果の検証は、臨床応用への期待が高まる。本研究成果は、難治性の白血病の新規治療戦略を示しており、学術的・社会的意義は大きい。
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