研究課題
基盤研究(C)
同一の発癌リスク下で発生した多発肺がんにおいて、遺伝子変異がランダムに偶然起こるのか、環境因子の影響を強く受けて多発病変間で共通して起こるのかを明らかにするために、多発肺がんにおける遺伝子変異プロファイルと環境因子の関係を調査した。大阪市立大学医学部付属病院で外科的切除された肺癌症例のうち、多発肺がんと診断された17症例38病変を対象とした。がん関連遺伝子409遺伝子を対象に次世代シークエンサーで解析を行った。EGFR、KRAS変異は同一個人に発生した多発病変に共通して変異が起こり、特に非喫煙者・軽喫煙者、男性では共通して起こりやすかった。その他の遺伝子変異は偶然の可能性が考えられた。
肺がん発癌に関与する環境因子としては喫煙がよく知られているが、喫煙によるゲノム異常から発癌へ至るメカニズムや、その他の環境因子の発癌における関与についての詳細は未だ明らかではない。本研究では肺がん発癌における環境因子の関与をさらに解明するために、同一症例における異所性、異時性同時性に発生した多発肺がん検体を用いてゲノム相同性の解析を行った。同じ環境因子下で発生した異なる肺がんの分子生物学的差異を明らかにし、発癌における環境因子の役割を解明する一助となった。
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すべて 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 3件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件、 招待講演 2件)
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