研究課題/領域番号 |
17K07190
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
服部 奈緒子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (30611090)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | エピジェネティクス / ヒストン修飾 / がん幹細胞 |
研究成果の概要 |
本研究では、ヒストンリーダー阻害によるがん幹細胞の治療を目的とし、がん幹細胞におけるCDYL2の役割を解析した。CDYL2強制発現がん細胞では、がん幹細胞集団が増加し、がんの浸潤や転移に関わる遺伝子群が上昇していた。CDYL2ノックアウト細胞では、がん幹細胞分画が有意に減少し、レスキューによってその減少はキャンセルされた。CDYL2強制発現乳がん細胞は5-FUに対する感受性が低下し、ノックアウト大腸がん細胞は5-FUとirinotecanに対する感受性が増強した。これらの結果から、CDYL2は大腸がんおよび乳がんのがん幹細胞の維持に関与していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒストンリーダーは、ヒストン修飾を認識後、クロマチン構造変換を誘導して遺伝子の発現を調節し、エピジェネティック情報を細胞の表現系へ変換する重要な因子である。本研究によって、ヒストンリーダーによるがん幹細胞性の制御メカニズムが解明される。また、その阻害による「がん幹細胞の分化制御」によるがん治療の可能性が広がる。さらに、がん幹細胞を死滅させるのではなく、休止状態に保つことで、がん組織自体の増大を押さえて共存する「がん幹細胞休眠療法」の概念を提唱できる。
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