研究課題/領域番号 |
17K07230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍治療学
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
大橋 愛美 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター 分子薬理部, 主任研究助手 (50727427)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ゴルジ体 / Arf1 / 癌 / 蛋白質 / 発現制御 / 分子標的治療 |
研究成果の概要 |
ゴルジ体機能阻害剤M-COPAは、三次元培養下のヒト胃がん細胞株MKN-1に対し、効率的にスフェロイドを崩壊させる独自な特徴を持つ。M-COPAにより顕著に発現抑制される細胞表面分子をスクリーニングしたところ、特定のインテグリン分子を見出した。siRNAや中和抗体にて当該インテグリンの機能を阻害したところ、スフェロイド形成能を喪失した。また、M-COPA添加により当該インテグリンの特異的リガンドとなる細胞外マトリクス分子の分泌が抑制された。以上の結果から、上記インテグリン経路の阻害がM-COPAによる抗がん効果に重要であり、胃がん治療の標的候補として期待された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゴルジ体は、翻訳されたタンパク質が糖鎖修飾やプロセッシングを経て機能タンパク質として成熟し、細胞内・細胞外・細胞表面の予定された正しい部位に輸送される過程を調節している。スフェロイド培養は、単層培養と比較し、細胞接着が三次元に形成され、in vivoの腫瘍を模倣していると考えらえる。本研究では、ゴルジ体阻害剤によって特定のインテグリンの細胞表面発現やそのリガンドとなる細胞外マトリクス分子の細胞外への分泌を抑制し、その結果、腫瘍塊が崩壊するということを見出した。本研究の成果により、ゴルジ体阻害、ないし別の方法で当該シグナルを抑制することが、がん治療薬開発の新たな戦略となりうることが示された。
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