研究課題
基盤研究(C)
報告者が発見したlncRNA-FR1が、アルギニントランスポーターCATX遺伝子の転写活性化に寄与することを機能喪失・獲得実験より明らかにした。また、lncRNA-FR1が、細胞内へのアルギニンの取り込みを増加させ、糖産生を調節することが示唆された。さらに、lncRNA-FR1は細胞内へのアルギニンの取り込みを制御することでmTORC1の活性を調節し、細胞増殖に関与することが示唆された。 lncRNA-FR1によるCATX遺伝子の転写活性化の作用機序としては、lncRNA-FR1がCATX遺伝子プロモーター領域のヒストンアセチル化を促進させることであることが明らかになった。
肝臓の新たな代謝調節因子としてlncRNAが注目されているが、lncRNAによる代謝調節とそれに応答した細胞機能の制御については不明な点が多い。これまでにlncRNAがアミノ酸トランスポーターの活性を制御し、細胞内のアミノ酸量をコントロールしているという報告例はまだ無く、またlncRNAがmTORC1の活性を調節して細胞機能を制御する例も不明である。従って、本研究の成果は、学術的にとても意義の高いものといえる。さらに、mTORC1活性の異常は代謝性疾患の病因になり得ることから、本研究成果からlncRNAを標的とするmTORC1活性を制御する薬剤の開発に繋がることが期待される。
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Sci Rep.
巻: 8 号: 1 ページ: 14290-14290
10.1038/s41598-018-32575-z
120006529679