研究課題/領域番号 |
17K07306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小段 篤史 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (80360543)
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研究分担者 |
HIPOLITO CHRIS 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20759914)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ABC輸送体 / P糖蛋白質 / 膜蛋白質 / 分子メカニズム / 機能-構造相関 / ATP / 生体分子 / タンパク質 / 膜タンパク質 / 立体構造 / 機能 / 蛋白質 / 構造変化 / バイオテクノロジー / 薬理学 / 癌 |
研究成果の概要 |
代表的なABC輸送体であるP糖蛋白質(別名、MDR1またはABCB1)は、ATPを駆動力として幅広い構造の多種類の脂溶性化合物を細胞や体内から排出するが、その詳細な分子メカニズムは不明であった。代表者らはP糖蛋白質オーソログの内向型(輸送前)と外向型(輸送後)の立体構造を高分解能で解明し、新たな動作原理の仮説モデルを予測した。立体構造に基づき作成した多数の変異体の機能を調べ、機能-構造相関を解析し、仮説モデルの正当性を証明した。当輸送体が、ATPのエネルギーを利用し、多様な脂溶性化合物を、細胞膜中へ逃さないように、細胞内から細胞外へと徐々に絞り出すように排出する動作原理を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに異なる二状態(内向型と外向型)の結晶構造を同一のP糖蛋白質で明らかにした例はなかった。代表者らは、ヒトP糖蛋白質と基質特性が良く似たP糖蛋白質オーソログを見いだし、その両状態の結晶構造を世界に先駆けて高分解能で決定することに成功した。両者の原子レベルでの厳密な比較、および、機能-構造相関解析により、当輸送体の分子メカニズムの理解を飛躍的に向上させることに成功した。本研究で得られた成果は、ABC蛋白質全般の機能を考える上で重要であり、新たな治療方針や創薬アイデアの策定に多大な貢献ができると期待される。
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