研究課題
基盤研究(C)
過酸化水素分解酵素カタラーゼは細胞内小器官の一つ、ペルオキシソームに主に局在する。本研究において、ペルオキシソームへのタンパク質輸送に中心的な役割を果たすPex14pが過酸化水素等の酸化ストレス依存的にリン酸化修飾されることを見出した。Pex14pのリン酸化はとくにカタラーゼのペルオキシソームへの輸送を抑制し、結果としてサイトゾル局在性カタラーゼの増加を介して細胞の酸化ストレス抵抗性を高めるという、細胞の新たな抗酸化ストレス応答機構を明らかにした。
ペルオキシソームへのタンパク質輸送がリン酸化修飾により制御されるという知見はこれまで酵母から哺乳類を通じて世界初のものであり、細胞内タンパク質選別輸送の新たな制御機構として学術的意義が高い。また、カタラーゼの細胞内局在の制御、すなわちサイトゾル局在性カタラーゼ量の調節が抗酸化ストレス応答として作用することが明らかとなり、この分子機構の理解が炎症反応や老化の進行などを介して病気や健康に影響を及ぼす酸化ストレスの軽減へ向けた創薬・医療シーズとなる可能性が示された。
すべて 2020 2019 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 3件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 備考 (2件)
Cell Rep.
巻: 30 号: 5 ページ: 1417-1433
10.1016/j.celrep.2020.01.013
Proceedings of the Japan Academy. Ser. B: Physical and Biological Sciences
巻: 95 号: 2 ページ: 75-85
10.2183/pjab.95.007
130007591938
Cold Spring Harb. Mol. Case Stud.
巻: 5 号: 1 ページ: 1-16
10.1101/mcs.a003483
Nature Communications
巻: 9 号: 1 ページ: 1-12
10.1038/s41467-018-07009-z
J. Biochem.
巻: 164 ページ: 437-447
10.1093/jb/mvy073
40021789527
Subcell. Biochem.
巻: 89 ページ: 287-298
10.1007/978-981-13-2233-4_12
巻: 89 ページ: 463-471
10.1007/978-981-13-2233-4_20
J. Cell Biol.
巻: 217 号: 2 ページ: 619-633
10.1083/jcb.201708122
In: Schrader, M. (ed.) Peroxisomes: Methods and Protocols, Methods in Molecular Biology (Series Ed.: Walker, J.M.), Springer, Humana Press, New York, USA
巻: 1595 ページ: 197-205
10.1007/978-1-4939-6937-1_18
巻: 1595 ページ: 213-219
10.1007/978-1-4939-6937-1_20
巻: 1595 ページ: 319-327
10.1007/978-1-4939-6937-1_29
実験医学2017年7月号特集「ユビキチン化を介したオルガネロファジー」
巻: 35 ページ: 1824-1831
http://www.biology.kyushu-u.ac.jp/~funccell/
http://www.biology.kyushu-u.ac.jp/~taisha/ikelab/