研究課題
基盤研究(C)
私たちは以前、小胞体-ゴルジ体接触部位におけるコレステロールとセラミドの輸送が、ゴルジ体からのCARTS輸送小胞の形成及びタンパク質分泌に重要であることを報告した。今回私たちは、小胞体コレステロールセンサータンパク質であるSCAPが膜接触部位を介し、小胞体コレステロールレベル依存的にCARTS形成を促進することを見出した。また、膜接触部位可視化細胞を用いた解析から、CARTSが膜接触部位に近接した領域で形成されることが明らかとなり、ゴルジ体におけるCARTS形成の位置やタイミングの決定に膜接触部位が重要である可能性が示唆された。
SCAPは、コレステロール欠乏時に膜結合型転写因子であるSREBPを活性化し、コレステロールの生合成・取り込みを促進することが広く知られている。本研究成果は、十分量のコレステロールの存在下におけるSCAPの新たな機能を示すものである。コレステロールは、膜構造の流動性を司ることで、その機能発現に重要な役割を果たす脂質であるが、今回、タンパク質分泌を司るシグナル分子としての新たな側面を持つ可能性が示唆された。本研究成果は今後、タンパク質分泌異常が引き起こす様々な疾患の治療薬開発の糸口となることが期待される。
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bioRxiv
巻: -
10.1101/679936
J. Cell Biol.
巻: 218 号: 10 ページ: 3355-3371
10.1083/jcb.201808149