研究課題
基盤研究(C)
本研究では、基質認識部位と触媒部位とが完全に分離したプロテアーゼの創製を目的として研究を行った。本研究の標的タンパク質として、すでにプロトタイプとしてのプロテアーゼ活性を見出している変異Pin1を対象に選び、まず、特異的な基質アミノ酸配列の決定を行った。そのための網羅的スクリーニングには、独自のシステムを開発した。次に、触媒部位を構成するアミノ酸残基を置換することにより、変異Pin1の触媒部位の最適化を行った。最後に、変異Pin1由来のプロテアーゼのミクロ化を行った。プロテアーゼ活性部位から遠位のドメインの削除と安定性改善のための変異の導入も行った。
タンパク質分解は生命活動にとって重要な役割を担っている。一方、生命科学分野の研究において、特異性の高いプロテアーゼは、in vivoとin vitroの両面で利用されてきた。また、その中には将来の医療現場での活用の可能性も期待されているものもある。ところが、自然界に存在するプロテアーゼは、基質認識部位の中に触媒部位を含むため、その利用には限界がある。本研究では、基質認識部位と触媒部位とが完全に分離したプロテアーゼの創製を目的として研究を行い、一定の成果を得た。さらなる特異性と触媒活性の向上が得られれば、将来の商品化の対象として展開が可能である。
すべて 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)
Biophysics and Physicobiology
巻: 16 号: 0 ページ: 452-465
10.2142/biophysico.16.0_452
130007752754
FEBS Letters
巻: 592 号: 18 ページ: 3082-3091
10.1002/1873-3468.13218