研究課題
基盤研究(C)
GFP ミオシン II を発現した細胞性粘菌アメーバを硬さの異なる基質上に這わせ、アメーバ運動とミオシン II の動態を計測した。ヤング率 0.1 kPa 柔らかい基質上では、細胞は糸状突起様の細かい突起をほとんど出さなかった一方、ヤング率 1 kPa の硬い基質上で、細胞は糸状突起様の仮足を多く出した。仮足の振る舞いを詳しく解析すると、最大の仮足の長さは硬い基質上の細胞のほうが短かった。ミオシン II の最大蛍光強度は硬い基質上の細胞のほうが強かった。これらの結果はミオシン II の集積が細胞の伸展に依存することを示唆している。
細胞が誘引物質の方向に移動する性質は走化性と呼ばれ、血球細胞の免疫応答や神経細胞の組織形成など様々な生命現象で重要な働きを担っている。基質に接着した細胞の移動は、一般的にアクチン重合による前端の伸長とアクトミオシンの収縮による後端の退縮によってなされている。細胞前端の細胞膜上のレセプターが誘引物質を感知してから、前端でのアクチン重合にいたる細胞内シグナル伝達経路は詳しく研究されてきた。一方、細胞後端にミオシン II が集積するメカニズムはこれまで明らかにされていなかった。本研究によってミオシン II が走化性運動時、機械的なシグナルを介して集積する可能性が提案された。
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