研究課題/領域番号 |
17K07376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
大岩 和弘 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所, 主管研究員 (10211096)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 鞭毛 / 軸糸 / ダイニン / タンパク質モータ / X線繊維回折 / 原子間力顕微鏡 / 軸糸ダイニン / 分子モーター / 鞭毛運動 |
研究成果の概要 |
重要な生理機能を担う鞭毛・繊毛が示す波打ち運動創出のメカニズムを理解するために、生理学的条件下の軸糸を分子レベルで可視化する液中高速原子間力顕微鏡技術(HS-AFM)と、溶液条件下で周期構造変化を鋭敏に検出するX線繊維回折技術を用いて、軸糸内部構造の協調ダイナミクスを計測した。HS-AFM観察では、微小管上にダイニン外腕の24nm構造周期を確認、光開裂型ATPによる周期構造変化を計測した。X線繊維回折では、低Ca2+濃度下での高いらせん対称性を持つクラミドモナス鞭毛軸糸が、高Ca2+濃度でその対称性を崩すことを見出した。らせん対称性の変化はダイニンと微小管との相対位置を変えて協働性を調整する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鞭毛・繊毛運動の理解は、その生理学的重要性と、繊毛の機能不全が引き起こす疾病群があることから、医学的重要性が高い。鞭毛運動の解析は前述の疾病発症メカニズムの解明につながり、さらには診断法、治療法の開発につながることが期待される。 これに加えて、周囲の溶媒から激しい熱運動を受けながらも、高いエネルギー変換効率で一方向の運動を起こすダイニンの運動機能やアンサンブルとして機能する場合に示す高い協働性の知見は、分子マシン構築において重要である。自然が創り出した機能モジュールを組み合わせて構築する分子マシンの研究の進展において、軸糸の運動メカニズムの知見は、新たな設計指針を与えるものである。
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