研究課題/領域番号 |
17K07485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・行動
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
木下 充代 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (80381664)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 行動 / 感覚生理 / 視覚 / 嗅覚 / チョウ目 / 異種感覚統合 / 鱗翅目昆虫 / 高次中枢 / チョウ / 昆虫 / 脳・神経 / 神経科学 / 行動学 |
研究成果の概要 |
アゲハチョウの生まれつき好む色は、花や食草の匂いによって変わる。私は、匂いによる色嗜好性の変化がメスで顕著であることに注目し、「視覚と嗅覚の統合」とその「性的二型」の仕組みを明らかにすることを目指した実験的研究を行った。その結果、第一次嗅覚中枢を作る約70から80個の糸球体のうち3個がメスで大きく発達していること、第一次嗅覚中枢から情報を受けるキノコ体には、大きな視覚入力が見つかっていた。このキノコ体に入る視覚情報には色覚と深く関わる反対色性を示す神経が多数あることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトよりも鋭い色識別能力を持つナミアゲハの色嗜好性は、植物の匂いによって変わる。この現象は非常にユニークで、ヒトが匂いによって食べ物の視覚的特徴を想起する神経機構の理解にも繋がるものである。今回発見したいくつもの反対色性神経の特性は、彼らの色知覚を表しているだけでなく、嗅覚情報と特異的に統合される情報そのものである可能性が高い。異なる感覚が脳でどのように統合されて、特定の物体の認知に至るのかは未だいずれの動物でもわかっていない。今回細胞内記録が可能になった神経群の働きは、異種感覚統合の理解において貴重な知見となることは間違いない。
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