研究課題
基盤研究(C)
ヒトの染色体は線状であるが、ある種のがんでは高頻度で環状染色体が見つかる。また、先天的に環状染色体を持つ遺伝病患者は、がんのリスクが高い。本研究では、分裂酵母とヒト培養細胞を用いて、環状染色体の安定性制御に関係する新規遺伝子や新規薬物を発見と、その因子の機能解析を行った。まず、分裂酵母の環状染色体の維持にpki1が必要であることを発見した。また、クロモソームパッセンジャー複合体が、環状染色体の維持に必要であることを発見した。さらに、DNAダメージチェックポイントに関係するタンパク質である9-1-1複合体が、DNA複製が阻害された時に環状染色体の維持に必須であることを明らかにした。
本研究で見つかった分裂酵母の環状染色体の維持に関与する因子は、ヒトでも同様の機能があることが期待できる。その場合、本研究の成果を利用すると、a)環状染色体を安定化することで、環状染色体を持つ遺伝病患者のがんのリスクを軽減したり、b)環状染色体を不安定化することで、環状染色体を持つがん細胞を選択的に死滅させる新しい抗がん剤の開発につながる可能性があり、がんの予防や治療への貢献が期待できる。
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https://www.hiroshima-u.ac.jp/adsm/news/43346