研究課題/領域番号 |
17K07537
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
坂本 信介 宮崎大学, 農学部, 教授 (80611368)
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研究分担者 |
石庭 寛子 福島大学, 環境放射能研究所, 特任講師 (00624967)
大沼 学 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (50442695)
續木 靖浩 宮崎大学, 農学部, 教授 (00236928)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 季節繁殖 / 雌雄差 / 光周性 / 温周性 / アカネズミ / 性差 / 哺乳類 |
研究成果の概要 |
本研究は小型哺乳類の繁殖期の多型は主に環境温度変化への応答により形成されるとの仮説を確かめるため,アカネズミを対象に飼育交配実験と野外調査,遺伝子解析を実施した.新型コロナウィルス感染拡大の影響により飼育交配実験中心の計画に変更し,メスの繁殖状態の誘導にはオスの匂いと環境温度変化が重要で,日長の変化は必要ないことを示した.さらに,繁殖に不適な環境温度から繁殖に適した環境温度に至るまで全く同じ温度変化を経験させることで,繁殖期が真逆の両集団ともに繁殖状態を誘導しうることを示した.また環境温度変化への繁殖応答に関わる遺伝子情報を蓄積した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長らく,哺乳類の季節繁殖は日長の制御下にあると考えられてきたが,これは実際に哺乳類が示す多様な繁殖パターンを説明するには不十分である.本研究は,環境温度に対する応答に雌雄差があり,特に雌が温度に鋭敏に反応して繁殖状態を変えることによって,繁殖期の地理的多型を説明しうることを実験的に示した.このような環境温度への応答の雌雄差は生物の多様性やヒトの季節性疾患の雌雄差,地球温暖化に対する生物の反応の理解につながる.さらに,野生動物の保全,家畜や動物園動物の飼育下繁殖に有用な知見となりえる.今後は継続課題20K15865と合わせて遺伝子情報の解析に取り組み,このメカニズムの詳細にアプローチしていく.
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